REACH規則の基礎(その19)第117条から第127条:条約、法規いっちょかみ(その32)

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今回の条約、法規いっちょかみ(その32)は、REACH(その19)です。

TITLE XIIからTITLE XIVの情報と権限を持つ当局、および施行に関する内容で、第117条から第127条までです。

TITLE XII INFORMATION(知識)第117条から第120条
TITLE XIII COMPETENT AUTHORITIES(権限を持つ当局)第121条から124条
TITLE XIV ENFORCEMENT(施行)第125条から第127条

この中で、一般の人にそこそこ関係があるのは、TITLE XII INFORMATION(知識)です。

こう書くと、REACH規則の基礎(その18)手数料及び料金、化学品庁(その31)は、
TITLE X AGENCY(化学品庁) 第75条から第111条だったよねと疑問に思う方もいるかもしれません。

REACH規則の最新版では、過去にあったTITLE XIは存在しません。

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第117条 Reporting(報告)

ここには、加盟国やECHAは欧州委員会に5年ごとに規則の運用状態について報告書を出さなければいけないとか、ECHAは非動物試験法及び試験戦略の実施状況及び使用状況に関する報告も3年ごとにしなければいけないとか、欧州委員会も5年ごとに一般報告書を出さなければいけないことが書かれています。

第118条 Access to information(情報へのアクセス)

化学品庁が所有する文書には、(EC) No 1049/2001が適用されることが書かれています。

また以下のような情報の公開は、通常,関係者の商業的利益の保護を損なうものとみなされるとあります。

(a)混合物の全組成の詳細
(b)第 7 条(6)及び第 64 条(2)を損なうことなく、物質又は混合物の中間体としての正確な用途に関する情報を含め、正確な用途、機能又は適用
(c)製造または上市された物質または混合物の正確なトン数
(d)製造業者または輸入業者と、その販売業者または川下ユーザーとの関係

ただし、緊急事態の時、つまり人の健康や安全、環境の保護などが必要な時は、ECHAはこの場を開示できます。

その他不服申し立てなど手続きのことが書かれています。

第119条 Electronic public access(電子的な公開)

  1. 物質それ自体であるか、混合物であるか、又は成形品に含まれるかにかかわらず、化学品庁が保有する以下の情報は、第 77 条(2)(e)に従って、インターネット上で無料で一般に入手できるものとする
    (a) 本条第2項(f)および(g)を損なうことなく、規則(EC)No 1272/2008の付属書Ⅰに規定される以下の危険有害性分類の基準を満たす物質のIUPAC命名法における名称
    – 危険有害性の分類 2.1~2.4、2.6 および 2.7、2.8 タイプ A および B、2.9、2.10、2.12、2.13 カテゴリー 1 および 2、2.14 カテゴリー 1 および 2、2.15 タイプ A~F
    – 危険有害性の分類 3.1~3.6、3.7 性機能および生殖能力または発育への悪影響、3.8 麻薬作用以外の影響、3.9 および 3.10;
    – 危険有害性の分類 4.1
    – 危険有害性の分類 5.1
    (b) 該当する場合、EINECS に記載されている物質名
    (c) 物質の分類と表示
    (d) 物質に関する物理化学的データ、及び経路と環境運命に関するデータ
    (e) 各毒性学的及び生態毒性学的研究の結果
    (f) 附属書 I に従って設定された派生無影響濃度(DNEL)又は予測無影響濃度(PNEC)
    (g) 附属書 VI の第 4 節及び第 5 節に従って提供される安全使用のガイダンス
    (h) 附属書 IX 又は X に従って要求された場合、環境中に排出された危険物質の検出及び人への 直接ばく露の測定を可能にする分析方法
  2. 物質、 混合物、又は成形品に含まれる物質に関する以下の情報は、第 77 条(2) 項(e)に従い、インターネット上で無料で公開されるものとする。ただし、情報を提出する当事者が、第 10 条(a) 項(xi)に従い、当該公開が登録者又はその他の関係者の商業上の 利益を害する可能性がある理由について、化学品庁が妥当と認めた正当な理由を提出する場合を除く:
    (a) 分類及び表示に不可欠な場合、物質の純度並びに危険であることが知られている不純物及び/又は 添加物の特定
    (b) 特定の物質が登録されている総トン数帯(すなわち、1~10 トン、10~100 トン、100~1,000 トン又は 1,000 トン超)
    (c) 第1項(d)及び(e)で言及される情報の試験概要又はロバストスタディ概要
    (d) 安全データシートに含まれる、第 1 項に記載された情報以外の情報
    (e) 物質の商品名
    (f) 規則(EC)No 1272/2008 の第 24 条に従い、本条第 1 項(a)で言及される非段階的導入物質の 6 年間期限のIUPAC 命名法における名称
    (g) 規則(EC)No 1272/2008 の第 24 条に従い、本条第 1 項(a)で言及される物質の IUPAC 命名法上の名称であって、以下の 1 つ以上としてのみ使用されるもの:
    (i) 中間体
    (ii) 科学的な研究開発
    (iii) 製品およびプロセス指向の研究開発

第120条 第三国および国際機関との協力

ここ条項には、化学品庁が第三国および国際機関に得た情報を出す際の条件が書かれています。

第121条から第127条まではタイトルのみ

これ以降、第121条から第124条までは、TITLE XIII COMPETENT AUTHORITIES 権限を持つ当局(各加盟国当局)の権限ややること、第125条から第127条までは、TITLE XIV ENFORCEMENT 施行に関すること書かれているのですが、普通の人には関係ないと思いますのでタイトルのみ列挙します。

第121条 Appointment(任命)

第122条 Cooperation between competent authorities(権限を持つ当局間の協力)

第123条 Communication to the public of information on risks of substances(物質のリスクに関する情報の国民への伝達)

第124条 Other responsibilities(その他の責務)

第125条 Tasks of the Member States(加盟国の職務)

第126条 Penalties for non-compliance(違反に対する罰則)

第127条 Report(報告書)

REACH条文は次回で終了?附属書は?

REACH規則の本文は141条までなので、多分次回で終わりそうです。ですが、REACHには附属書が山のようにあります。

ですが、このシリーズ管理人ちょっと疲れました。附属書については、しばらく間を開けてやる気が出てきたらやろうと思います(永久に出てこない可能性もあります(^^;)。

以下、免責事項

このシリーズわかり易くするために砕けた表現などを使っていますが、規制にそんなものはあるわけがありません。正確性が欠ける場合があります。


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