今回は、製品含有化学物質管理の基礎(その1)です。
今回から始まると言ってもいい本シリーズですが、実際にやっている方からすれば「当たり前じゃん!」と思うような項目が沢山書かれることになると思います。
そういった方は、必要だと思う部分だけつまみ食いしていただければいいと思います。
現時点での製品含有化学物質管理は、リサイクルや廃棄を含まない
前回の製品含有化学物質管理の基礎(その0)でJIS Z 7201:2017 製品含有化学物質管理―原則及び指針を紹介しました。
その中にも書いてはありますし、現時点での製品含有化学物質管理は、資源を取り出して精製したりするところ(つまり原材料を作るところ)から、いわゆるユーザー(一般消費者もBtoBのユーザーも含む)までしか考えられていないのが普通です。
従って、リサイクルや廃棄に関しては含まないのが一般的です。リサイクル材に関しては、原材料扱いされます。
一方、この考え方は、欧州発のサーキュラーエコノミー(循環経済)により、リサイクルや廃棄までを考える方向に変化していくのではないかと管理人は予想しています。
既に、以前に「chemSHERPAのHPに循環経済対応の製品含有化学物質管理 ディスカッションペーパー(Ver.1.0) が公開されました」という記事で紹介してあります。
自社の製品とオペレーションについて
前回の製品含有化学物質管理の基礎(その0)でも自社の製品についてという項目を書いています。
そこには、自社の製品のカテゴリーと概要を一度洗い出しておいていただいたほうがいいということを書きました。
そしてその理由に、カテゴリーが違うと規制が異なる場合もあるからと書いています。
実のことを言うと、製品含有化学物質管理の第一歩は、自社の製品そのものとそれがどのように作られるかというオペレーションの理解にあるとも言えます。
もちろん、法規制や顧客要求は守るべき事項としてあるのですが、それを可能にするのに必要なことは、自社の理解なのです。
このように書くと、うちは商社だからとか、うちは○○社の製造請負だからとかいう方がいるかもしれません。
ですが、そのような会社であっても製品含有化学物質管理は必要です。
では、皆さんに質問です。それはなぜでしょう?
製品含有化学物質化学物質管理の範囲
図1には自社の製品含有化学物質管理の範囲を図示しました。
記事の中では、JIS Z7201と異なる用語を使っている場合がありますのでご容赦ください。ここで調達先とあるのはJISの用語の定義では供給者です(でもわかりますよね)。
自社の製品含有化学物質管理ではありますが、一部、調達先や顧客のところまで範囲が広がっています。これは、図に書いたように化学物質の情報伝達をしなければならないのもその理由の一つですがそれだけではありません。
では、皆さんに質問です。それだけではない別の理由とは何でしょう?
製品含有化学物質管理の基礎のシリーズは、こんな感じで進んでいきます
なんか記事を書いていたら、説明だけでなく、読者の皆さんにも考えてもらったほうがいいかななんて思い始めてきちゃいました。
管理人ったら意地悪(^^;。
ということで、今回は非常に大枠のお話でした。次回からは、製品含有化学物質管理の基礎(その0)でご紹介した参考文書に沿った話を書いてこうと思います。
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