前回までで、chemSHERPA-AIには、どの様な情報が書かれているのか見てきました。
基本情報、成分情報、遵法判断情報の各画面や会社情報の画面も見てきました。
ですが、実際にはまだ解説をしていない項目や画面も存在します。まだあるのかよと言わないでくださいね。化学物質の情報伝達って結構複雑です。
例えば、皆さんは化学品に対してSDSを受取ると思うのですが、書かれている内容は、何ページにも及びますし、項目だけでも16も存在します。
さて今回は、今まで紹介してこなかった画面について紹介します。chemSHERPA-AIに書かれている情報の説明は今回でお終いです。
基本情報画面にある複合化
基本情報画面のメニューバーのツールに複合化というコマンドがあります(chemSHERPAにはどんな情報が書かれているの?chemSHERPA超入門(その2)参照)。
これを実行すると以下のような画面が立ち上がります(複合化情報画面)。
一見すると、ほとんど何もない画面に見えてしまいます(^^;。
この項目は、データを作る方専用で、データをチェックする側の人には全く関係がないものです。ですので、最初の説明では省略しました。
この画面は追加ボタンで既に作成されているchemSHERPAのデータを使用して更に複雑な製品のデータを作成するときに使われるものです。
成分情報画面にあるいくつかの項目
成分情報画面のメニューバーにはファイルしかありませんがここにはいくつかのコマンドがあります。
図2は、chemSHERPA HPにある事例サンプル、Switchのデータの成分情報画面です。
Articleフラグ表示
まず、Articleフラグ表示ですが、これを実行すると以下の図3のようになります。
部品の名称と、材質の名称の後ろにArticleという列が追加され、Articleと判断されるものにはonというフラグが立てられています。
Articleフラグは、REACH規則の成形品(Article)の基準に基づいています。
部品は、基本的に全てArticleフラグはonになっています。一方、材質にはonがあるものとないものが存在します。材質の場合、母材にのみフラグがonになっているのです。
部品質量合計表示
次に部品質量合計表示を実行すると成分情報画面は以下のようになります。
部品の項目に質量と単位の列が追加されます。ここには、部品がいくつかの材質によって構成されている場合、材質の重量の合計値、つまり部品としての質量が表示されます。
質量の記入ミスというのは結構あると思うので、結構便利な機能かもしれません。
SCIP情報画面表示
最後にSCIP情報画面表示ですが、これを実行するとこの製品にSVHCが含まれている場合は、別ウインドウの画面が立ち上がります(図5)。
SCIP情報は、現時点でどれほどの割合で要求があるのかわかりませんが、今後は増えていく可能性があります。
一方、製品にSVHCが閾値以上含まれていない場合は、このSCIP情報画面は立ち上がりません。というか、情報の必要はありません。
遵法判断情報画面にある項目
一方、遵法判断情報画面のメニューバーのファイルの部分には、参照用のExcel出力以外は、SCIP情報画面表示しかありません。
この画面も、SVHCが含まれている時にしか立ち上がりません。遵法判断情報画面のSCIP情報画面は図6のようになっています。記入されている項目は、成分情報画面のSCIP情報画面の項目と同じものです。
chemSHERPA超入門、これからどうしようか
このchemSHERPA超入門においては、今までファイルの開き方と書かれている情報の解説をしてきました。
ですが、超入門というと他に何を書けばいいのだろうと管理人は、今困っています。
データの作り方は過去にもやりましたし、超入門ではない気もします。
何か解説してほしいことはあるでしょうか?募集しています。
コメント
SCIPの記載が必要なのは分かるのですが、
成分情報と遵法情報どちらにもあるのがいまいち理解できていません。
>何か解説してほしいことはあるでしょうか?募集しています。
考えてみましたが、超入門レベルではないかな
という内容(成分情報や遵法情報の中身)だったので
超入門は、一区切りでもいいのではないでしょうか?
Ver変更時などまた取り上げていただければ幸いです。
通りすがり購読者様、コメントありがとうございます。管理人です。
SCIP情報が成分情報と遵法情報どちらにもある理由なんですが、これは管理人的には以下のような理由だと思っています。
chemSHERPA製品含有化学物質 情報 の利用 ルールVer.1.5によれば、項目の5. 製品含有化学物質情報に、成形品の製品含有化学物質情報として、成分情報及び/又は遵法判断情報を伝達すること。
という文言があります。
つまり成形品の情報伝達は成分情報だけ、遵法判断情報だけというやり方も容認しています。
このため、どちらか片方しか情報伝達をしない場合がありうるためSCIP情報は両方に必要になることになります。
それと超入門でなくても解説してほしいこと(成分情報や遵法情報の中身)があれば教えてください。記事になるか考えますので。
成分情報や遵法情報の中身ってどういう意味なんでしょう?
なるほど。
どちらかだけの場合にも対応できるようそれぞれあるんですね。
勉強になります。
SCIPの詳細な書き方など取り上げてもらえると助かります。
過去記事であったらすみません。
通りすがり購読者様、お返事ありがとうございます。管理人です。
SCIPの詳細な書き方はさすがに無いんですが、chemSHERPA-AI Ver2.02を見ていこう(その1)からのシリーズを読んでいっていただければある程度分かると思います。