このシリーズ、PC及び電子部品のシリーズになってから、管理人、実は書くのに苦労しています。
このあたりの知識は、普通の一般の人より多少あるかもしれないものの、実は全く専門家ではなかったりするので困ってます(^^;。
なまじ変な知識があるので、そこを書こうとすると詳しいことはわからないというジレンマです。この身近な化学物質の最初のころは、どちらかというと専門外の材料や化学物質について書いていたので、割と気楽に書いていたんですよね。
今回は受動素子(受動部品)に使われている化学物質・材料
愚痴っても始まらないので、今回は、受動素子(受動部品)に使用される材料をいくつか見てみたいと思います。
大体、受動があるなら反対語としての能動素子もあるはずです。でも、あんまり能動素子って聞く機会は少ないような気がします。実際には、能動素子という用語はあって、トランジスタのようなものをいいます。
受動素子は、「供給された電力を消費・蓄積・放出する素子で、増幅・整流などの能動動作を行わないものを言う。」(Wikiより引用)のことです。
代表的な受動素子(受動部品)は抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランス、圧電素子、水晶発振子などです。
電気回路に関連する用語は他を見て
抵抗とかコンデンサって何Ωとか何Fとかってありますし、抵抗なんかは色で値がわかるとか昔回路を作っている人に聞きましたが、最近は表面実装素子が多いのでその方法ではわからないです。書いてある記号で分かるらしいのですが、その方法は本記事には関係ないので省略です。
表面実装の素子の大きさも、管理人がまだ若かったころは、1005(1mm×0.5mm)とかの素子が最先端でしたが、今や0402(0.4mm×0.2mm)なんかもあるみたいですね。
いわゆる電気特性に関係するような項目はほかのページを検索してください。
表面実装の受動素子に使われている材料
今回は、代表的な表面実装の受動素子に使われている材料を見ていこうと思います。
チップ抵抗
代表的なチップ抵抗器の製造プロセスは、ローム株式会社HP中に結構詳しく書かれています。
そして、チップ抵抗は下の図のような構造をしています。もちろん会社によって微妙に違うのでしょうが、この際無視です。
このような構造をしているので、結構いろんな材料が使われています。基板は、高純度酸化アルミニウムの場合が多く、内部電極は銀系の材料、中間電極というか層は、ニッケルメッキ、外部電極ははんだめっきが標準的です。
肝心の抵抗体ですが、銀/パラジウム系の金属だったり、酸化ルテニウムなどが使用されます。保護層には、鉛ガラスだったり、熱硬化性の樹脂などが使用されます。
チップコンデンサ
チップコンデンサにも、積層型のものやアルミ電解型のものもあるのですが、今回は普通の積層型のコンデンサを取り上げます。
代表的なチップコンデンサの製造方法は株式会社村田製作所のHPに結構詳しく書かれています。
そして、積層型のチップコンデンサは、以下のような構造をしています。
①外部電極
1A スズメッキ 1B ニッケルメッキ 1C 銅内部電極
②誘電体素子 ジルコン酸カルシウム系またはチタン酸バリウム系
③内部電極 ニッケル
管理人は、何十年も前に村田製作所の工場でチップコンデンサの製造方法を見学させていただいたことがあるのですが、それはもう、精密なんですけど窯業というか、焼結工程で1000℃以上で窯で焼くというのを見た時大変だなあと感じた思い出があります。そして、1個1個のコンデンサの電気特性を全品測定していたのにも驚きました。
その他の素子
その他の素子でもそれぞれ特有の材料が使用されます。
例えば、圧電素子は圧電スピーカーや各種センサとしても利用されますが、代表的な圧電材料としてはチタン酸ジルコン酸鉛;PZT(Lead Zirconate Titanate)が使用されますし、
水晶発振子にはそれこそ水晶の細片が使用されています。
必要な電気特性に対応した材料が使用される
以上、軽く見てきたように、実際の受動素子においては、必要な電気特性に応じてそれに対応した物性を持つ材料が使用されていることがわかります。
こういった材料研究で、画期的な新たなものが開発されるには、長い時間と根気強い研究が必要です。
我々は、その成果を電子電気製品で享受していることになります。
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