今回は、SCIPゆっくり解説(その32)ですが、このSCIPゆっくり解説シリーズは、今回で終了です。
今まで、このシリーズは、そもそもSCIPとは何ぞやから始まり、届出の義務者はどういう人かとか、何を届けなければならないのかといった基本的な項目と、それが書いてある文書の説明、材料カテゴリーの話や、Q&A、届出に必要なTARICコードなどの説明などもしてきました。
日本の人たちにとってもう残っている重要な文書って、Requirements for SCIP Notificationsくらいしかないんじゃないかと思っている管理人です。
ですがこの文書、pdfで52ページもあるんですよね。
しかもこの文書内容、この一つ前の文書であるDetailed Information Requirements for the SCIP databaseにある程度というかかなり書いてあるんですよね。
それで、この一つ前の文書は化学物質国際対応ネットワークですでに仮訳してあったんだよなあ。この件は、SCIPゆっくり解説(その14)をご覧ください。
Requirements for SCIP Notificationsは、届出に何が必要か書いてある
この文書は、ECHAのSCIP supportページの最初に置いてある文書です。今回は、紹介だけにとどめます。
まず最初に1. Introductionがあり、誰が届け出なければならないかとか背景などが書かれています。
次に2. Information requirementsが書いてあるのですが、この部分は、一つ前の文書Detailed Information Requirements for the SCIP databaseに書かれている内容をより丁寧にした感じです。
そして、3. Recommended solutions for the level of reporting in the SCIP notifications: ‘grouping’ and ‘hierarchy’、つまりSCIP届出における報告レベル、「グループ化」と「階層化」についての推奨ソリューションが示されています。
この部分は新たに加わった項目です。長さ違いなど同じ材料、同じ形状、特性でシリーズ化されているものへの対応や複合成形品を作っている方々への階層構造の考え方が書かれています。必要な方は熟読してください。
管理人この部分だけでも内容解説しようと思いましたが、やめることにしました(根性無し)。
SCIP supportページにはほかにもToolのページが
SCIP supportページには、その他にこのシリーズで解説した、材料分類の解説であるMaterials categories for the SCIP databaseや、SCIP databaseへの届出に係る解説文書がずらっと並んでいます。
その他にも、届出に必要なツールの解説をしているTools to prepare and submit SCIP notificationsも存在します。
ここには、Data preparation in IUCLIDという実際に届出をするツールにデータをどう入れるのかとか、Data submission in the ECHA Submission portalという、届出のポータルではどうするのかといった細かい内容が書かれています。
ですが、届出義務者は、欧州の製造者、輸入者、欧州の流通業者及びサプライチェーン内の他の行為者ですから、この辺りは日本においてはあまり重要ではないだろうということで説明しません。
今後はトピックスのみ掲載
SCIPについては、今後もいつ廃棄物処理業者や一般の人々に公開されるとか、色々とトピックは出てくると思いますが、その場合はシリーズではなく単発の記事で対応しようと思います。
SCIPゆっくり解説シリーズを読んで少しでも役に立った方は、いいねボタン(ブログにはないんだよね)じゃなくてコメントしていただければ管理人はうれしく思います。
コメント
SCIP解説も一通り終わりですか。お疲れ様でした。
なかなか、まとまった解説がなく、取っつきにくかったのですが、おかげさまで何となく具体的にイメージできるようになりました。ありがとうございます。
先日、JETRO主催の米国TSCAなどの化学物質規制のセミナーを拝聴したのですが、日本のchemSHERPAよりbomcheckの方が海外対応には向いているとの指摘がありました。bomcheckも取っつきにくいので、機会があったらご紹介頂けるととても助かります。
通りすがり様、コメントありがとうございます。折々に触れ、コメントを頂けるので管理人のモチベーションアップにつながっております(^^)。
SCIP解説は、32回もシリーズとして続けたので、当ブログの中では最高回数です。さすがにもういいんじゃないかな。
BOM Checkは、あまり知らないんですよね。海外対応に向いているというのは、そのオリジナルが欧州だからだと思うのですが、そもそも少し考え方も違う気がします。
なので、BOM Checkは、期待しないで(^^;。
管理人様
BOMcheskの件、そうですよねー
少し調べてみましたら、そもそもJETROのセミナー講師がBOMcheckのアジア・日本地区のマーケッティングマネージャーをされているエンバイロメント・ジャパンの方でした。
サプライヤーが費用を負担する事や、部品の登録にはYes/Noの二択で答えていけば良いとは言え基本英文の問いに答えないとならない辺りがハードルが高いのかもしれません。
通りすがり様、コメントありがとうございます。管理人です。
サプライヤーが費用を負担することはもちろんなのですが、ある意味データベース的な部分もありますのでデータの伝達だけに特化して考えているchemSHERPAとは異なると思います。
他のフォーマットにも対応してますしね。どっちがいいのかは、考え方によると思います。
まあ、だからchemSHERPAは、ドメスティックだと言われるのかもしれませんが。