どうも管理人です。
今回は、製品含有化学物質担当になっちゃった人のための超初級化学講座(その2)です。
製品含有化学物質担当になっちゃった人のための超初級化学講座(その1)では、化学を学ぶためのネットでのサイトなどを紹介しました。
今回から、実際の内容に入るんですが、最初に断っておきます。
- こんなのいらないと思う人は確実にいるはず⇒このシリーズ読む必要はありません
- 正確性に欠けるだろという突っ込み⇒大雑把に理解していただくことを目的にしています
- 何だかよくわからない管理人のたとえ⇒おっさんのセンスなんてそんなもん、寒くたって知りません
- これでも難しいよ⇒その1で紹介したサイトなどで勉強してね
- 真面目に勉強したいんです⇒サイトや本は紹介するので、そこでがっつりやってください
それともう一つ、製品化学物質の業務には化学の知識が本当に必要かというと、実はそうでもありません。
こう書くと身もふたもなくなってしまいますが、化学の知識がほぼなくても会社の仕組みや品質管理、仕事の進め方をある程度知っていれば可能です。ただし、自社の製品のことをよく知っている技術の方の力は借りる必要があるでしょう。
では、始めていきましょう。
超初級化学講座(その2)の今回は、元素の周期表です
皆さん、中学、高校の化学で元素の周期表(古くは周期律表と書かれている場合もある)は、習うと思います。
ではまず、wikiで”周期表”と検索して、、(オマエハイツモソレダ)、あっ、石投げないで。
周期表を最初に提唱したのはメンデレーエフ
周期表は、ロシアの化学者であるメンデレーエフにより1869年に提唱されました。1869年は、日本においては明治元年から2年ですから高々150年程度の歴史しかありません。しかも、最初の周期表には当時まだ発見されていなかった元素についての予測が書かれていました。
その後新しい元素が次々と発見され、科学者たちは悩みながら、今の周期表が作り上げてきました。すなわち、周期表は化学の知識が沢山つめられて作成されています。
周期表が読めれば化学がわかる
ずいぶん大層なことを書いてしまいましたが、大体、周期表を読むってなんだよ、と言われそうです。ですが、周期表からわかることは、実はたくさんあります。
周期表には、色々な項目が付加されて書かれているものが多いのですが、最低限書かれている項目としては、元素記号と元素番号、元素名(これは、その国の言葉で書かれます)、それに原子量ではないかと思います。
では、この最低限4項目しか書かれていない周期表からわかることは何なのでしょうか
周期表からわかること
元々の周期表ができた経緯から考えると以下のようなことがわかります。もっとわかることはありますが、知っておきたい基本的なことだけです。
そして、普通の生活をしている人や製品含有化学物質の業務をやってる人でも、第7周期の元素とアクチノイドと呼ばれる元素は無視してかまわないと思います。
縦に並んだ元素の性質は似ている(族)
まず、周期表で縦に並んでいる元素は、似た性質を持つということです。そして、その縦の列の元素は族(英語では、Group of elements)と呼ばれ、特定の名前が付けられています。族っていうと、日本語だと血縁関係とか同じ階層や目的の集団を意味するのでこれを最初につけた人は、ある意味すごいかも。
そしてこの族にも番号が振られています。通常、1~18まで振られているのですが、ちょっと古いものだとI A,II AからVIII Aまで、その後にI B,II BからVIII Bまでのような番号の振られ方をしているものがあります。これだと、周期表の横の数は8×2で16になりそうなものですが、VIII Aに入っている元素が何故か3個あるので、横の数は18個になります。
わけわからんとなるのですが、ここは考えずにそういうもんなんだと思っていたほうが、最初のうちは気が休まります(^^;。
族につけられている名前は、よく使われるものとそうでないものがあります。よく使われるものとして覚えておいたほうがいいのは、
1族 I A アルカリ金属 (水素は特殊な元素なので含みません)
2族 II A アルカリ土類金属 (通常、BeとMgは、かなり性質が異なるので含みません)
17族 VII B ハロゲン
18族 VIII B 希ガス
それと縦の元素の性質はよく似ているので、どんな不純物が入るのか推定できます。例えば、酸化ストロンチウムの中には、CaやBaが不純物としてあるだろうなとか、酸化亜鉛の中にはCdが不純物としてあるかもしれないとかです。もちろん、精度の高い精製を繰り返せば、不純物は減っていきますが値段もお高くなってしまいます。
一般に周期表の上にある元素は比重が軽く下にある元素は重い
これは、元素そのものの構造的な部分に由来しているのですが、周期表の上にある元素は軽く、下にある元素は重いです。例えば、Liは金属的な性質を持つにもかかわらず、比重は0.53しかありません。金属は一般的に重いイメージがあるでしょうから、違和感を感じる方もいると思います。
しかも、希ガスを除けば、周期表の上の元素ほど一般に反応性が高いです。
周期表を見るとある程度の反応性がわかる
上で周期表の上の元素ほど一般に反応性が高いと書きました。
周期表は、元素が結合できる手が何本あるのか、しかも、それが凸の手なのか凹の手なのかがわかります。4週期以降に現れる遷移金属と呼ばれる、3~12族あたりでは、色々なことが起きるので話が難しくなります。
例えば、アルカリ金属であるナトリウム(Na)は凸の手(電子)が1本で、ハロゲンである(Cl)は凹の手(電子受容)が1本(実際には、最外殻に電子が7個)なので、いわゆる食塩NaClはこの二つの化合物ということになります。
さらに言えば、ナトリウム(Na)は電子を受け入れてくれるところがあれば、そこに電子を出したいという性質を持つことになります。
周期表は今までの化学者の知恵の結晶
先に書いた通り、周期表が提唱されてから、実はまだ約150年しかたっていませんが、多くの知恵がここに詰まっています。
今回書いたのは、本当に序の口だけです。
もっといろいろなことが知りたい方は、以下のような周期表に関する本も出ていますので、読んで勉強するのもよいと思います。
元素と周期表 改訂第2版 (ニュートン別冊) ムック
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元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書)
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次回まではやります
このシリーズ、一応次回までは最低やるつもりです。そこで、皆さんに判断いただく予定ですのでよろしくお願いします。
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