REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(5)

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今回は、REACH SVHC:追加分だけゆっくり解説(5)です。

このシリーズは、前回の第23次のSVHCの記事からはじめていますので、前回の投稿は、2020年の8月17日にしています。

それ以前の200個くらいのSVHCについては、とても大変でやる気が起きないのでやらないと決めてます(^^;。

第24次は、2物質だけだから楽でいいですね。第24次SVHCの発表に関する投稿もご覧ください。

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第24次SVHC Bis(2-(2-methoxyethoxy)ethyl)ether

第24次SVHCの最初は、Bis(2-(2-methoxyethoxy)ethyl)etherです。化学をかじった人でないとほとんど暗号に見えてしまいますね。

化学物質名:Bis(2-(2-methoxyethoxy)ethyl)ether
別名:Tetraethylene Glycol Dimethyl Ether、Tetraglyme、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エチルエーテル、テラグリム、2,5,8,11,14-ペンタオキサペンタデカン
化学式:C10H22O5
分子量:222.28    
構造式:
CAS RN:143-24-8
EC No.:205-594-7
融点 -30℃
沸点 275℃付近
引火点 140~141℃

この物質は、別名が沢山出てきますね。

何を理由にSVHCに入れられたかという点は Article 57c にある生殖毒性が理由になっています。

Bis(2-(2-methoxyethoxy)ethyl)etherの危険性は何か

ECHAのSubstance Infocardで見ると、Bis(2-(2-methoxyethoxy)ethyl)etherの危険性は、この物質が生殖能力や胎児に損傷を与える可能性があることが特定されています、とあります。

生殖毒性でSVHCになっているんですから当然と言えば当然です。

また、一部のSDSには、目への刺激性も書いてあります。

どんなところに使われるのか

ECHAのSubstance Infocardによれば、EU域内では、100t/y以上のレベルで生産もしくは輸入されています。あまり多い数量ではありません。

また使用用途としては、いろいろ書かれていますが、インクやトナー、溶接・はんだ付け製品、植物保護製品と抽出剤などが書かれています。化学工場でも使用されるとあります。

環境中には、いろんな材料から放出されてくるようで、例えば紙製品や家具、自動車のケア製品、ペイント、接着剤など様々なものが記述されています。

NITEのCHRIPの用途には、溶媒,冷媒,吸収剤,酸性ガス洗浄剤が記載されています。また、WEB検索するとインクジェット用インクの洗浄剤(クリーナー)のSDSによく記載されています。

Bis(2-(2-methoxyethoxy)ethyl)ether含有の可能性

ここからは、管理人の主観が入っていますので、決して鵜呑みにしないでください。参考情報程度であり必ず自分で判断して下さい。プライバシーポリシーにも書いてある通り、管理人は一切の責任を負いません。SVHCの解説の際は、必ずこの注意書きが入ります。

この物質は、各種インクやそのクリーナーなどのほかにも、放出されてくるものから見ると結構いろいろなものに、溶媒や洗浄剤、各種調整剤として使用されている気ががします。実際のところ、SDSだけを見ていると生殖毒性以外、特に強い有害性の記載がないため、量的には多くないものの結構重宝されて使われているかもしれません(これは、管理人の全くの推測です)。

実は注意しなければならない物質かもしれません。

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