SCIPゆっくり解説（その21）

今回は、前回のSCIPゆっくり解説（その20）からの続きで、Q&Aの範囲（SCOPE）の項目に部分に書かれている内容の残りの分になります。

本当は、1回やらなきゃいけない内容なんですが、正月でエンジンかからないということで許してね。

Q&A：範囲（の続き）

医療機器はSCIPの通知義務に該当するのですか？

医療機器は、その医療機器自体、またはその構成物の一つである場合、SCIP通知義務の対象となります：
-アーティクルのREACHの定義を満たしている、そして
-候補リストの高懸念物質（SVHC）を 0.1%w/w 以上の濃度で含有している。
医療機器自体又はその構成物の 1 つ（又はそれ以上）が REACH の下で成形品とみなされるかどうかの評価は、対象物の機能を特定した後、ケースバイケースで行われる必要がある。機能の特定と評価は、成形品中の物質の要求事項に関するガイダンスの第 2 章に含まれている原則を適用して、そこにある実施例（例えば、付録 3 と付録 4）を考慮に入れて行われるべきである。

REACH 第 20 条(6)(c)の免除は、混合物に適用される REACH のタイトル IV の規定にのみ関連している。第 33 条は、REACH の同じタイトルの下に含まれているが、REACH の第 3 条(3)で定義されている成形品に適用される。
したがって、混合物である特定の医療機器のタイトルIVからの免除は、この文脈では関係ない。

結果として、REACH の成形品の定義を満たす0.1%w/w 以上の候補リスト物質を含む医療機器、又はその定義を満たす部品を組み込んだ医療機器の供給者は、REACH の第 33 条に基づく情報伝達義務の免除はありません。成形品の REACH 定義を満たす医療機器の供給者、又はその定義を満たす部品を組み込んだ医療機器の供給者は、第 33 条(1)項に基づく情報伝達義務を免除されず、したがって、廃棄物枠組指令の第 9 条(1)(i)項に基づく SCIP 通知義務も免除されません。

Modified Date: 10/07/2020
ID: 1663
Version: 1.0

医療機器も免除されないってことですね。

いつSCIPの通知を更新する必要があるのですか？

以前に提出された SCIP 届出に対する最新情報の提出は、最終的には次のようなものに起因します。

• 2021 年 1 月 5 日以降、特に成形品中に存在する物質（0.1%w/w 以上の濃度）が候補リストに含まれている場合、最新情報の提出を義務付ける規制変更。
• 候補リスト物質を含む成形品そのものを組み込んだ構成品及び副構成品の観点から、複合品の構成の変化
• 例えば、提出された情報がSCIP通知義務を遵守していない場合など、加盟国当局からのSCIP通知への追加情報提出の要請。
• 例えば、成形品中に存在する候補リスト物質がより安全な代替物質で代替された場合など、提出者が自主的に SCIP 届出を更新するために関連があると考える変更。

既に提出された情報に変更があったり、以前に提出された情報を修正する必要がある場合は、以前に提出されたSCIP届出を更新することができます。このSCIP届出義務は、サプライチェーンにおけるコミュニケーション義務（REACH第33条(1)に基づく）と同様に、候補リスト物質の存在を認識しているか否かに関係なく適用されます。可能な限りの手段を使ってサプライヤーから必要なすべての情報を引き出すことは、あなたの利益になります。そうでなければ、準拠していない可能性があります。成形品における物質の要求事項に関するガイダンスの3.2.1.1.と5章を参照してください。

提出されたデータの品質、正確性、完全性、堅牢性に関する責任は、常に各義務者にあります。

SCIP通知の更新方法については、Q&A 1666を参照してください。

Modified Date: 09/10/2020
ID: 1695
Version: 1.0

「成形品における物質の要求事項に関するガイダンス」は、ECHAのページ上ではリンクが張ってありますが、Guidance on requirements for substances in articles　June 2017　Version 4.0　のことですので、検索してください。

SCIPって正しくやろうとすると超面倒くさいと思うのは管理人だけ？

年明けてから、SCIPの範囲（SCOPE）の件をやってきたわけですが、まあ、ほぼ何から何かで対象だし、いちいち面倒なガイダンスは読めと言われるし、SCIPの通知を正しくやろうとするととんでもないですね。

いやー、現役というか、会社を辞めていて良かった、と不謹慎なことを考えてしまう管理人でした。