chemSHERPA Tips(3)は、複合化についてです。複合化については、今回だけではなく複数回に分けて記述する予定です。理由は、単に図が多くなってしまうからです。
chemSHERPAのHPからデータサンプルを入手する
複合化するためには、いくつかのchemSHERPA-AIのファイルが必要になります。自社にファイルが沢山ある人は良いですが、最初に演習でやってみたい人や管理人のような人はデータファイルをどこかからかもってこなければなりません。
ですので、今回はchemSHERPA HPのデータ作成支援 (ツール等)のページにある、ツール技術情報/データ事例サンプルにあるchemSHERPA-AI_CIのデータ作成事例サンプル(日本語).zipをダウンロードして入手しましょう。zipファイルは、解凍して下さい。
複合化の例とする今回のダミーサンプル
今回、複合化の例とするダミーサンプルは、上記でダウンロードしたデータ事例サンプルから積層セラミックコンデンサ、チップバリスタ、プリント基板(フレキシブル基板)を使用します。完成製品の構成は仮に
積層セラミックコンデンサ 4個
チップバリスタ 2個
プリント基板 1個
とします。
そんなものは無いとは思いますが、仮想ですのでご勘弁ください。
複合化情報画面への遷移
さて、データ事例サンプルは、chemSHERPA Ver.2.00で作成されています。もしあなたが、現在の最新版chemSHERPA Ver.2.01を使っているならデータを最新化してください。今回使用する3ファイル全てです。
自分の会社のデータである場合は、今自社で使っているツールのVer.にデータを全て合わせましょう。
そうしたら、chemSHERPA-AI Ver.2.01を立ち上げましょう。
次にタブのツール⇒複合化を選択します(図1)。
すると、一見青い画面だけの複合化の画面が立ち上がります(図2)。
赤枠で囲ったところを見ていただければわかりますが、Ver.2.00以降では成分情報だけでなく遵法判断情報も複合化可能です。成分情報だけしか持っていない方は、遵法判断情報のチェックを外してください。
ファイルを追加して複合化する
この画面上で、まず追加ボタンを押して、複合化に使う部品のファイルを選択して追加します。複合化に使えるファイルは承認された正式ファイルのみです(図3)。図3は、プリント基板を選択したところです。
同様に追加ボタンを用いて残りの二つのファイルも追加しましょう。追加して員数を入力した結果が図4です。
図4において注意して頂きたいところがあります。図3のプリント基板のファイルを取込んだ時のファイル名が図4の1行目なのですが、ファイル名が同じではありません。積層セラミックコンデンサ、チップバリスタも同様です。
ですので、大量のファイルを複合化するときには、間違えないようにしなければなりません。
幸い、普通にファイルを作成するとファイル名に作成時の年月日時分秒が入っており、それは複合化画面上のファイルでも同じように表示されますので、それで確認してください。管理人のように老眼が進んでいると目がしょぼしょぼしますが。
ファイルと員数の入力がすべて終了したら、画面右下の複合化実行ボタンを押します。
データ書き換えの警告が出ると思いますが、OKを押して複合化します。すると処理が実行され、図5の画面が示されます。
ログの出力は、お好きなようにしてください。すると、これは複合化されたものの成分情報画面です。
ここまでくれば、後は普通の製品を作るための処理と同様になります。
成分情報をチェックしたら確定ボタンを押して成分情報を確定させます(図6)。
図6は、確定後の画面です。
まだ、遵法判断情報と基本情報のところのチェックや入力が終っていませんが、それは次回に。
コメント
ほとんど毎日読ませていただいており、大変助かっております。
すみませんが、1つ質問させてください。
複合化の時、個々のデータを最新化しなかった場合、どのような不都合があるのでしょうか?
SV83様、コメント、質問ありがとうございます。管理人です。
個々のデータを最新化しなかった場合の不都合は、大きく分けて二つあります。
一つ目は、大幅にVer.upした場合です。いわゆるメジャーVer.up(今までには1回しかありません、Ver.1.xxからVer2.xx)の場合は、様式から変わってしまうため変換の必要があります。
もう一つ(こちらがメインですが)、最新化していないデータは、最新版の管理対象物質や遵法判断について反映されていないことになるので、新たに加わった物質や条件に当たるものが含まれていた場合、その情報が抜け落ちる可能性があります。
Ver.up時のリリースノートを見て、全く影響がない場合は、簡単な処理で済ませることができると思います。多くの場合、これに当てはまると思いますが、たまに結構使われている物質が足されたりするので要注意です。
ご回答ありがとうございます。
弊社は複数の部品を組み立てた製品を販売しているため、複合化をよく使うのですが、蓄積されている部品データの最新化も進めていくことにします。
ところで、最新化というのは最新バージョンのchemSHERPAで、旧バージョンのデータを開き、成分情報と遵法判断情報をそれぞれ更新するという理解で合っておりますでしょうか?
SV83様、管理人です。コメント、ご質問ありがとうございます。
最新化はその理解であっています。
やっと見つけました!
ケムシェルパ初心者です。
ネット検索してもなかなかわかりやすく書かれたものがなく、マニュアル見ても???
社内にも知ってる人がいない中、わけわからずに回答していましたが、間違っていたことがたった今発覚しました。。
やっと複合化がまともに出来ました。
ありがとうございます。
さかもと様、コメントありがとうございます。管理人です。
本名が書かれておりましたので、苗字をひらがなにしたもので承認させていただきました。
社内にだれも知ってる人がいないと辛いですよね。少しでもお役に立てたようでうれしく思います。
chemSHERPAは、セミナーがあるので(もちろん有料ですが、さかもと様が苦しむ時間のロスを考えたらものすごく安いと思います)初心者の方は一度受けることをお勧めします。
参考にさせていただいております。
複合化において、接合用に使用する材料(はんだや接着剤等)は、どのように入力するのが一般的なのでしょうか。
複合化し作成したchemSHERPA-AIに、プリント基板などと同階層に項目追加し、使用するはんだ量にて「員数:1」と記載してもよいものなのでしょうか。
RET様、コメント、ご質問ありがとうございます。管理人です。
RET様のご質問の意味を完全に理解できていないのですが、以下のようなことだと仮定したうえで返答申し上げます。
プリント基板Aの上にSMTで部品b,c,d,eを載せて、機能を発現するプリント基板回路Xを製造する場合を考えます。
chemSHERPAのデータとしては、A,b,c,d,eのデータがあり、それを複合化して作成したデータXがある。
この時点では、はんだのデータはX上に存在しない。
この際、はんだをA,b,c,d,eと同一階層に、員数1ではんだ重量を加えたデータを追加することででデータを完成させてよいか?
答えは、Yesになります。
chemSHERPA HPにあるchemSHERPA-AI_Ver2.06_事例集_JPの17のICモジュールについての記載が参考になると思います。
ご説明いただきありがとうございました。
RET様、コメントありがとうございます。管理人です。
管理人の仮定が正しくて、その上で理解できたということに解釈させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。