身近な化学物質再び(RoHSで制限される化学物質のその3)は、カドミウムです。
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今回もまず ウィキペディア 検索していただいて(いい加減にしろという声が聞こえてきそう)、基本的な知識を得ましょう。
カドミウムは、RoHS指令では制限されている物質で閾値は0.01wt%となっており、他の制限物質の1/10に設定されています。イタイイタイ病の例などもあり、体内への蓄積性も高いといわれているのでこのような値になっているのかもしれません。RoHS指令においては、カドミウム化合物の場合、金属換算しなければならないのは鉛と同様です。
カドミウムの化合物は、カドミウムイエローやカドミウムレッドと言われいる硫黄化合物、セレン化合物が顔料としての樹脂などの着色剤や画家の方が使う絵具として使われてきました。非常に鮮やかな色が出るといわれています。また、CdSは光の強度によって抵抗値が変わるため、光を検出するためのセンサーとして用いられてきました。
ウィキペディア にも書いてありますが、2001年、ソニーコンピュータエンターテイメントはオランダ政府より、ゲーム機PS oneの周辺機器から基準値を超えるカドミウムを検出したとして対応策を求められました。この一件は、製品(成形品)に含有される化学物質も管理コントロールしなければならないという発端になりました。環境への負荷をかけてしまうのはもちろんですが、大きなビジネス上のリスクを生じたからです。いわゆるグリーン調達基準は、製品中の化学物質を管理コントロールしなければならないことから発生したわけです。
管理人もすぐにではありませんでしたが、このような関係の仕事に投入されることになりました。個人の感傷に浸っている場合ではないですね。
元素周期律表で見ると、カドミウムは亜鉛のすぐ下にあり、化学的な挙動は似ているといわれています。従って、亜鉛の中には必ずと言っていいほど不純物としてカドミウムが存在します。濃度の大小は当然あるのですが、精製度合いの低い亜鉛を使用する場合はカドミウム汚染に対して注意が必要です。
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