製品化学物質管理の仕事をしていると略語が多いと以前書きましたが、化学物質を表すのにもよく略語が使われます。
最初に取り上げるのは、DEHPです。
Di(2-ethylhexyl) phthalateの赤い部分の頭文字を取ってこう書かれています。これを日本語読みするとフタル酸ジ(2-エチルヘキシル)などと書かれますが、フタル酸エステル類と言われている化合物の中で最も一般的なもののひとつです。
用途は、塩ビ樹脂の可塑剤というものにたくさん使われてきました。
この化合物は、CAS No.という化学物質に個別識別番号を付ける仕組みでは、117-81-7という番号を与えられていますが、ものすごくたくさんの呼び名がある化学物質です。
いわく、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、ジオクチルフタラート、ビス(2-エチルヘキサン-1-イル)=フタラート、DOP、等々、日本語だけならいいですが、英語で書かれる場合もたくさんの呼び名があります。
こうなると、普段呼びなれている言葉以外の名前で書かれていると、違う化学物質と間違う可能性が出ています。
これは、DEHPだけに限ったことではなく、化学物質は、同じものでも様々な別名で呼ばれることが多々あります。
その点、先ほど書いた化学物質に付けられた個別識別番号(CAS No.)で確認できれば間違いようがありません。そういった意味でCAS No.は非常に便利な仕組みです。
また、DEHPは最近製品化学物質管理では話題になっている化合物です。大きな要因は、REACHにおいては、すでに様々な規制の対象となっているますが、RoHS規制において2019年7月から規制対象物質なるからです。
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