グリーン調達基準の読み方(その18)内容編その6

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今回の記事は、前回、前々回の続きになります。
鉛もよび鉛化合物について各社のグリーン調達基準にどう書かれているかを解説する3弾です。
書き方は、前回、前々回と同様ですので前々回の記事を参考にしてください。今回はG社からになります。

それから、当ブログへのアンケートへのご協力も、設問はたった2問ですのでよろしくお願いいたします。
ではいきましょう。

G社

化学物質管理やそのリストは、グリーン調達基準書本体に記載があります。
その内容は、製品用部材の禁止対象、報告対象、製品用部材ならびに包装用部材の管理対象、包装用部材の禁止対象、報告対象で表が作られています。
鉛に関しては、製品用部材の禁止対象物質に書かれています。包装用部材のところにもいわゆる4重金属規制として書かれていますが、ここでは取り扱わないこととします。
G社の場合、通し番号はふられておらず、A列は化学物質群となっています。鉛に関しては、鉛/鉛化合物と書かれている項目のほかに、クロム酸鉛、硫酸モリブデン酸クロム酸鉛、C.I. ピグメントイエロー 34のクロム酸鉛を含む化合物は独立した物質として書かれています。
B列は、主な法令及び規制情報となっています。鉛/鉛化合物となっている列は、2行に分かれており、最初の行には2011/65/EU指令; 中国 MII法; 日本 J-MOSS; 米国/カリフォルニア州 SB-20/50/AB575; と書かれています。2行目には、米国/カルフォルニア州プロポジション65判例法と書かれています。
C列は、使用例となっており、ここも2行に分かれたままです。最初の行にはゴム硬化剤、顔料、塗料、潤滑剤、、、(もっと沢山書いてありますが、写すのが面倒で手抜きです)などが書いてあります。2行目には、被覆電線・ケーブル/コードと書かれています。
D列は、閾値(報告レベル)となっています。 鉛/鉛化合物 は、ここも2列のままです。最初の行は、均質材料の質量に対する含有率が1000ppm(0.1wt%)を超える場合と書かれています。2行目は、ケーブルやコードの表層被覆(熱硬化性/熱可塑性被覆)の、被覆質量に対する含有率が300ppm(0.03wt%)を超える場合となっています。
一方、クロム酸鉛を含む化合物に関する記述は、B列がREACH規則 (EC) 1907/2006 の33条及び7.2条 (2010.01.13 SVHC認可候補リスト) ; 2011/65/EU指令となっています。C列は、物質によって書かれている内容は異なりますが、例えばクロム酸鉛では、プラスチックの着色剤、塗料の着色剤と書かれています。D列は、調査単位の質量に対する含有率が1000ppm(0.1wt%)を超える場合となっています。

管理人の個人的感想
鉛/鉛化合物とクロム酸鉛を含む化合物がREACHの認可候補物質に指定されているせいか分かれているのは、個人的にはより複雑になってしまっている気がします。 クロム酸鉛を含む化合物のところの閾値が、 調査単位の質量に対する含有率が1000ppm(0.1wt%) になっているため、法規制にRoHSは書いてあるものの、 均質材料の質量に対する含有率が1000ppm(0.1wt%) と取らない人が出てきても不思議ではありません。

H社

グリーン調達基準には、化学物質管理規定を満たすようにお願いするので対応してねという記述のみがあります。H社グループ製品における化学物質管理規定の付属書に「製品における環境関連物質管理基準」があり、ここに化学物質の規定が記載されています。
まず最初に環境関連物質に物質のみの表が存在し、区分、大分類、No.、物質群という項目に分かれています。鉛関係は、区分 使用禁止物質、大分類 金属及び金属化合物(合金を含む)、No.はいいとして、物質群、鉛及びその化合物と鳴っています。
更に、その物質群ごとの説明の表が下に続いています。物質群名:鉛及びその化合物は、それだけで一つの表を持っています。
そのA列には禁止レベルとしてレベル1適用除外が記載されています。レベル1は、それ以前に「製品、部品、材料、包装材に対して、使用することを即時禁止する物質」と定義されています。適用除外には「RoHS指令の禁止物質適用除外による」との記載があります。B列は、納入禁止期日 ※6となっており、いつから納入禁止か書かれます。 ※6 は、注記に振られる番号(ただしこれが最後の番号)なので、この鉛の表に関してだけでも、6個の表記があることになります。
C列は、適用用途、D列は、管理値、E列は注記となっています。
注記を除けば、A列は2項目、B列は3項目(適用除外部分を除く)、C列は6項目、D列は5項目、E列は6項目に分かれています。
残念ですがとても全部書く気になりません。
例として一番上に書かれている項目だけを書いてみると、A列 レベル1、B列 即時、C列 ・包装材、D列 ・意図的に含有しないこと ・均質物質において100 ppm未満 E列 ※1、注記である ※1 には、4重金属の合計で100ppmであることが書かれています。
以前に解説したE社同様、鉛の項目だけで1ページ以上を使っています。

管理人の個人的感想
鉛に関してわざわざ別の一つの表を持ち、適用用途ごとに細かく分かれた書き方になっています。E社とは異なり、法規制で明示的に分かれているわけではありません。ただ、最初に管理するべき物質だけの表があるのは便利かもしれません。ただ、個別物質の表にまとめられているので、関連しているものがある場合そこだけ見ればいいというのは便利ですが、やはり解読するのは 結構面倒かもしれません。

今回の2社は、鉛に関して書かれている文字数も多く、しかも解釈するのに管理人は結構大変でしたので2社で挫折しました。DLしたのが11社ですので、3社分が残っています。こちらに関しては、気長に待っていてください。グリーン調達基準における実際の化学物質の基準に関していろいろなパターンがあるということはご理解いただけたと思います。

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